• 八王子市東中野 お習字教室

文字を丁寧に書くことは心地よいものであり、美しい文字は自信の源にもなります。

当教室では墨の香りに包まれながら豊かな時間をもち、生徒の皆さんに一歩一歩着実な歩みを得ていただくことを目標としております。

現代社会に生きる私たち

 これだけコンピューター技術が発展した現代社会に生きる私たちにとって、文字を書く機会が減っているということは多くの大人が実感していることだと思います。

 それは手書き文字に限ったものではなく、例えば簡単な調べものはスマホで手軽に済ませられますし、洗濯は洗剤の計量から乾燥までボタンひとつです。自動運転技術も、お掃除ロボットも、私が子供だった時代には空想の世界のものでした。

 ところがこのような便利な生活と引き換えに私たちは「自分で考えて自分で工夫して自分で動く機会」を失いつつあるのは明らかで、それは人間が本来持っている身体機能や思考力を衰えさせてしまうことに繋がります。

 だからこそ、あえて自分の体を動かし試行錯誤しながら何かに取り組むという行動を生活の中に取り入れていく必要性が昨今叫ばれていますよね。それには書道もうってつけですし、料理、手芸、音楽、スポーツ、キャンプや登山。自分自身が楽しいと思えれば、無理なく長く続けられますよね。体と頭を一生懸命使うことは疲れますが、自分の好きなことであればそれが楽しく心地良く、やはり元気が出ます。

書道を学ぶメリット

 満足できる一枚に辿り着くまで、考えて手を動かす。失敗箇所を分析してまた工夫を重ねる。一見途方もないと思われるこの作業の繰り返しの中でも、前回より少しでも上手く書けると嬉しいですし、時には偶然性からグッとくる表現が生まれたりすることが楽しくてモチベーションに繋がります。そういった取り組みの中で墨の香りも手伝ってか自然と集中力も付いてきます。

 よくスポーツ選手の方が感覚が研ぎ澄まされて最高のパフォーマンスを発揮できる状態を「ゾーンに入る」と語られますが、おそらくその感覚に近いものが書道でも得られるのです。そのくらい、集中しているのです。最高の脳トレだと思いませんか?

 また、文字が上手になると周囲の人に褒めてもらえることもあります。私は小学生の頃、保健室にお世話になり用紙に記入する度に「字が素晴らしい」と保健室の先生から褒めてもらって嬉しかった記憶があります。文字が整っているかそうでないかの判別は私たちにとって極めて身近で簡単なことだからこそ、そうしたところでコミュニケーションが生まれるのだと思います。字を褒められることは、やはり嬉しいですよね。

 私は人の書く文字を見てその人の姿を想像したりその人のことを知りたいと思うほど、所謂くせ字や整っていないけど味のある字やその人らしい文字というのは大好きで失ってほしくないと思っていることは先に断らせていただきますが、少なくとも綺麗な字を書けるということはその人の魅力の一つになることは間違いないと思います。

 書道=美しい文字として現れる「結果」ばかりについ目を向けられがちですが、ここまで述べてきた通り書道の魅力はそれだけに留まりません。

 今まで経験してきた中で書道をやっていてよかったと思えることはいくつもあります。集中力、分析力、工夫する力、拘る力、鑑賞眼、偶然性を楽しむ心、言葉の中にある感情を深く考え表現しようとする力、道具を大切にする気持ち、文字への興味関心、人への興味関心、そしてそこから生まれるコミュニケーション。

 皆さんも、この便利な現代社会に生きているからこそ、あえて、人間らしく頭を使い体を使って心と心が通いあうものに取り組んでみませんか?